穏やかな日常って

久しぶりに母の話です。

去年肺がんが発覚し放射線治療終え、後遺症で放射線肺炎になり夏から秋に入院を2ヶ月半くらいしステロイド服用を終えた2週間後に肺炎をぶり返し入院。

え、100人に1人の割合で発症する放射線肺炎ですって?宝くじさえも当たらないのに?

てな感じで定期検診のレントゲンで両方に肺炎の影があり急遽1ヶ月半入院することになったと

連絡が来て慌てて帰省見送りへ。

「おかえり~!わざわざごめんねぇ~咳も何も悪くないのにねぇ入院だなんて嫌だわ~お昼ご飯食べてきた~?」

と呑気に母が言ってきた。

数日前に熱が出ただけで特に異常はないそう。それは良かったけど入院は必須なの?

通院じゃダメなのかと聞けば「多めのステロイド治療すると免疫力が下がるから危険」とのこと。

ステロイドにあまりいいイメージないがどうなのだろう。薬はそれしかないのだろうか色々思うことはあるが先生に任せるしかない。

そういうわけで久しぶりに母の手料理を食べた。いつも実家に帰るときは済ませてきてるか私が作るかなので本当に久しぶりだった。

献立は魚の塩焼きと温野菜に舞茸の味噌汁、ほうれん草の胡麻和えにイカの煮付けだった。

「急だったからこんなものでごめんね」

と母は言うがこれだけ作るのがどれだけ大変か大人の私にはわかる。食べると言うとはりきって作るのでこちらも空腹状態で挑まないといけない。

やっぱり母の作るご飯は美味しい。

母は料理が上手なので舌が肥えて育ったと大人になって感じた。

この手料理はあと何回味わうことが出来るのだろうかとふと悲しい考えがよぎり味わって食べた。

そして急遽入院だったので父と買い出しに行き、あれやこれや買って帰った。

定年退職にはまだまだ先な父だが歳をとったのか話がスムーズに通じず天然な人と話しているようで心配になった。忘れ物も多いようでメモの意味はないじゃないかとツッコミを入れつつ心配そうに「また入院だよ…」と一言。

咳や熱やら症状が出る前に見つかって良かったんじゃない?と無理やりポジティブに持っていくしかなかった。

入院前日の深夜、父は腹痛で何度もトイレへ駆け込んでいた。

「緊張してお腹痛くなった…」

手術する訳じゃないんだから、肝っ玉どんだけ小さいんよ!と笑いながら母と私でツッコミ。

父よ、しっかりしてくれ。

入院期間は1ヶ月半と予定され母の誕生日まで退院が目標だが出来ないかもしれないのでホールケーキを前祝いとして買って帰り皆で食べた。

「誕生日前までに退院するのが目標!退院したらあれ食べたい…!タルトケーキ作ってね!手間かかるかもだけどよろしくね(笑)」

と元気よく入院していった。

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